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Writer's pictureとおやま犬猫病院

3月/4月のフィラリア予防は意味がない!?

Updated: Jun 4, 2022


こんにちは。とおやま犬猫病院の院長、遠山伸夫です。

春になって暖かい日が続くと、

愛犬にとって大切なフィラリア予防が気になってきますね。

毎年恒例になってきましたが、

飼い主さんが知っているようで実はあまり知らない、

「フィラリア予防を始めるベストなタイミングいつなのか?」について、

ブログを書いていきます。

過去のブログでも愛犬のフィラリア感染症について取り上げましたが、

少しおさらいをしましょう。

フィラリアとは、日本のどこにでもいる蚊を媒介して、

犬ちゃんに(時には猫ちゃんにも!!)感染してしまう寄生虫です。

このフィラリアの成虫が、犬ちゃんの心臓や肺の血管に寄生すると、

お腹に水が溜まったり心臓や肺に大きな負担がかかり、

最終的には死んでしまうとても危険な病気です。

※フィラリア感染症についてわかりやすく説明した動画(病気の説明は0:54〜)を紹介します↓↓↓

こんなことを言うと、愛犬の飼い主であるあなたは、

今すぐにでもフィラリア予防しなきゃと心配になってくるかもしれません。

だからといって、焦らないでください。

上に書いたフィラリア感染症のおさらいをもう一度読み直してみてください。

このフィラリアは何から感染してしまうのでしたか?

そう、【蚊】でしたね。

つまり、岐阜県で蚊がほとんど飛んでない寒い時期(12月〜3月)は、

フィラリア感染するリスクはほぼないと考えられます。

では、あなたに質問です。

「フィラリア予防をいつから始めればいいのでしょうか?」

「岐阜県だとフィラリア予防する期間は、蚊が飛んでいる4月〜11月の8ヵ月間かぁ」

と感の鋭いあなたは思ったかもしれません。

しかし、その答えは正解にとても近いですが、正解ではありません。

私たちが住んでいる岐阜県でフィラリア予防を始める時期は、

実は5月中旬からで概ね問題ありません

「えっ?4月から蚊が飛んでたら、その蚊に刺されたらわんちゃんにフィラリアが伝染らないの?」

その疑問に対する答えは大きく2つあります。

【答え1】

一定気温以下のときは、

蚊の体内にはフィラリアの感染幼虫がいないこともあると報告されており、

蚊に刺されても感染しないため

【答え2】

例年より暖かい年で蚊がフィラリア感染していて愛犬に伝染ってしまっても、

岐阜県では5月中旬にフィラリア薬を投与すれば、

心臓や肺に到達する前にフィラリアを駆除できるから

【答え2】を見て、

「そもそもフィラリアに感染しないようにしてるのに、フィラリアに感染してしまって大丈夫なの?」

とびっくりしませんでしたか?

多くの方は、フィラリア薬を与えたら一定期間フィラリアにかからないという

ワクチンのような効果をイメージしています。

ここに大きな誤解があります。

フィラリア予防のお薬として説明していますが、

適切な時期に与えた場合、フィラリアが無害のうちに駆虫できるという

「駆虫薬」として作用します。

なので、感染してから無害の期間である1ヶ月を目安にこのフィラリア薬を与えると、

確実にフィラリアを駆虫し、結果としてフィラリア予防ができるという方法なのです。

詳しくは過去のブログで解説しているので、参考にしてみてください。

少し話がそれてしまいましたが、

以上の2点から、当院ではフィラリア予防を5月中旬から行っています

もっとわかりやすく図解すると、フィラリア薬を製造販売しているDSファーマアニマルヘルスさんのホームページの一部を抜粋したものが下の図になります。

もしかしたらあなたの通っている動物病院では、

心配だから3月からフィラリア予防を始めましょうとすすめられ、

あなたの愛犬は実際に3月/4月と必要のないフィラリア予防をしていませんか?

獣医師として、正直に言いましょう

フィラリア予防薬は飲まなくていい時期に飲むことは、

メリットがないだけでなく、デメリットばかりが生じてしまいます

そのデメリットとして、

フィラリア予防薬は比較的安全なお薬ですが、

副作用や食物アレルギーのリスクとなり得ます。

また、単純に必要のないコスト(お薬そのものの費用や来院する手間など)がかかってしまいます。

「でも、最近のフィラリア予防薬はノミやマダニ、お腹の虫も一緒に駆虫できるから使ってるの」

とあなたは思うかもしれません。

当院でも、便利なオールインワンタイプのフィラリア予防薬を処方することは多くなってきています。

しかし、フィラリア予防の必要がない時期であれば、

ノミやマダニ、お腹の虫に特化したお薬を選択するほうが、

大切な愛犬の体への負担は少なく、お薬の費用も抑えられます。

院長かつ獣医師である私のオススメとしては、

ノミやマダニ、お腹の虫が気になる方は3月/4月の2ヵ月はムダのない駆虫薬を選択し、

フィラリア予防は5月中旬から始めることです。

結果、節約できたお金で

好きなおやつを買ってあげたり、春の健康診断を受けてみたり、

あなたの犬ちゃんの万が一の病気やケガのために貯金することができます。

当院のモットーである「みんなに優しい価値ある獣医療」を提供していくことは、

犬猫ちゃんにかかってくる不必要なコストを削減しながら、

最大の治療効果をあげることでもあります。

あなたのかかりつけの獣医さんが、

本ブログのように説明してくれていれば大丈夫ですが、

早めに予防したほうがいいよと3月からフィラリア薬を処方していたら、

あなたの愛犬のためというよりは、自分の病院のためかもしれません。

最後になりますが、フィラリア予防は焦らず、

正しい知識をもってあなたの犬ちゃんの健康を守っていきましょう。

当院へ来院して頂ければ、当院スタッフが丁寧に説明させて頂きます。

今回のブログなどでご不明な点がありましたら、お気軽に当院までご連絡下さい。


TEL:0573-67-8288 岐阜県中津川市千旦林1386−1 ※Googleマップで「とおやま犬猫病院 中津川」と検索&ナビ可能 とおやま犬猫病院 院長/獣医師 遠山 伸夫

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