こんにちは、とおやま犬猫病院の院長の遠山伸夫です。
今回は、前回のブログ(避妊手術のススメ <メス♀>)の続きでもありますが、
犬猫ちゃんのオス♂における去勢手術について書いていきたいと思います。
わんちゃんの去勢を行う最も一般的な理由は、
・ホルモンによって引き起こされる行動
・望ましくない繁殖
・未去勢のワンちゃんの29%で起こる精巣の腫瘍
以上の3つを予防するためです。
その他のわんちゃんの去勢理由として、
・合併症を伴わない良性の前立腺過形成のわんちゃんでは、去勢後3週間以内に前立腺のサイズが50%減少し、術後2〜3ヵ月以内に臨床症状が消失
・良性の腫瘍である肛門周囲腺腫は、去勢後の犬の95%で消失
と報告されており、治療の一環で実施します。
ねこちゃんの去勢を行う理由として、望ましくない繁殖予防以外に、
・人に対してより温和になり、その他の動物に対しても攻撃性が少なくなる
・マーキング行動や「トイレ」の問題(トイレ外での排尿や排便)が少なくなる
・外に出るねこちゃんでは、放浪行動が減るため、去勢した子は長生きし、腸内寄生虫やその他の疾患に罹患することが減少する
と報告されているためです。
一方、わんちゃん・ねこちゃんとも去勢によるデメリットもあります。
それは、ホルモンバランスの変化により肥満になりやすく、
肥満に関連した疾患に罹患しやすくなることです。
ただし、この肥満は適切な運動と食餌を行うことにより(人と同じですね^^;)、
十分にコントロール可能ですので、ご安心ください(^_^)
去勢手術は、
大切な家族であるわんちゃん・ねこちゃんの長生きに貢献する
獣医学的根拠が証明されていますので、お気軽に当院までご相談ください。