
こんにちは。とおやま犬猫病院の院長、遠山伸夫です。
今回はズバリ、犬猫ちゃんの「肥満」についてブログを進めていきます。
ぽっちゃりとした犬猫ちゃんの愛くるしい姿に癒やされる飼い主さんは、結構いるのではないかと思います。
そんな私も、ぽっちゃり体型の犬猫ちゃんは可愛くて、つい触れてみたい衝動にかられます(笑)
しかし、大切な犬猫ちゃんがいわゆる「肥満」になってしまったら?
その状態が続くと、生活の質(Quality of life;QOL)が下がってしまったり、健康寿命が短くなってしまうかもしれません。
では「肥満」にならないようにするには、どうしたらいいの?
今回は、そんな疑問に答えていきたいと思います。
そもそも「肥満」になってしまう要因とは何なのか?
実は多くの飼い主さんは、その要因を知っています。
というのも、むしろ人間の方が「肥満」に関心が高く、テレビ・インターネット・病院・口コミなどで肥満を解消するダイエットの話題が溢れています。
犬猫ちゃんで「肥満」になってしまう最も一般的な理由は?
そう、食べ物の与えすぎ。
犬猫ちゃんはお腹が空いたら、飼い主であるあなたに食べ物をあの手この手でねだってきます。
そして、食べている様子が可愛いくて、ねだられるとあなたはついつい多めに与えてしまう。
日中お家に留守番をしている時間が長い犬猫ちゃんであれば、
かまってあげられなくてごめんね、と申し訳ない気持ちとともについつい多めにあげてしまう。
これを読んで、あなたは後ろめたい気持ちになっていませんか?
とてもわかります。
猫を飼っているわたしも、その気持ちは痛いほどに。
だからといって、「肥満」を仕方がないとあきらめてしまうと、循環器や呼吸器、消化器や内分泌、さらには関節などの全身に負担がかかってしまいます。
わかりやすい例をいくつか挙げると、
・余分な脂肪がつくことにより、いびきをかいたり、普段の呼吸がしづらそうになる。
・肥満のため、内因性(自分の体内で作る)インスリンの効き目が悪くなることにより糖尿病を発症し、毎日のインスリン注射が必要になる。
・膝や肘などの関節への負担が増加し、あまり歩きたがらなくなる。そして、運動量の低下からさらに肥満となり、関節への負担が増加する悪循環に陥る。
など、様々なQOLの低下が認められます。
人では、食生活の改善とともに適度な運動は、ダイエットに重要な要素になっていますね。
もちろん、犬猫ちゃんでも基本的な原理は同じです。
しかし、散歩が苦手なわんちゃんや室内飼いの運動不足になりがちな猫ちゃんに、今日から運動しようねと言い聞かせても、すぐには上手くいかないでしょう。
じゃあ、どうしたらいいの?
その答えはやはり、食べ物の与え方や食べ物自体を見直すことです。
至極当然のことで、「なんだ、そんなことか」と思う方が大半だと思います。
しかし、カロリー摂取量をコントロールしない限り、ダイエットは上手くいかないでしょう。
いろいろある解決法の中で、そのひとつをご紹介しましょう。
まずは、おやつを与えている方は、そこから意識を変えていきましょう。
自分に置き換えて考えればわかりやすいですが、おやつは生物が生きていく上で必ずしも必要なものではないですね。
だからといって、急に今日からおやつを無くしてしまったら、いつももらっていた犬猫ちゃんから不満が出るでしょう。
なので、今までのおやつの代わりに、まずは普段与えているフードを少量与えるようにしてみてください。
いわゆる総合栄養食であるフードの方が栄養価は高く、余分なカロリーだけの摂取は少なくできます。
そして、ここが1つのポイントですが、
一日に与えるフードのトータル量は変えず、あくまで与える回数を増やします。
例えば、1日に50gのフードを朝25g、夜25gずつ与えていたら、
おやつとしてフード5gをおやつとして与える代わりに、朝25g、夜20g(もちろん朝20g、夜25gでもオッケー)にすることにより、1日量は変えず回数を増やすことができます。
犬猫ちゃんはお腹いっぱい食べたいだろうから、食べ物の一回量を十分にあげようと思いがちです。
しかし、犬猫ちゃんは食べ物の一回量が多いよりも、たとえ一回量が少なくても何度ももらえる方が満足感が得られるとの見解もあります。
実際、食べ物を複数回に分けて与えることにより、犬猫ちゃんとのコミュニケーションの時間も増えます。
そのことにより、あなたのことが大好きな犬猫ちゃんは、お腹も気持ちも満たされ、ハッピーになるでしょう。
おやつの問題が解決しても、なかなかダイエットできない場合は、食事として与えているフードを変更してみましょう。
どんなフードを選んだらいいか途方にくれている方は、ぜひ当院までご相談ください。
「肥満」は様々な臓器や運動器官に対して、障害を起こしうる注意すべき状態です。
つまり、適切な食事管理をして「肥満」を改善することにより、病気を未然に防ぐことができます。
そのためには、飼い主さんと犬猫ちゃん、そして獣医師などの専門家との連携が重要となります。
当院では、万病の元である「肥満」に対して積極的なアプローチを提案します。
内分泌(ホルモン性)疾患などから二次的に生じる「肥満」が疑われる場合は、その疾患を診断し、適切な治療へとつなげていきます。
過剰なカロリー摂取や代謝の低下によるものが疑われる場合、
動物病院でしか処方できない療法食から、その子その子に適したダイエットフードを一緒に探します。
療法食は市販のフードよりもコストがかかりますが、栄養成分や原材料もしっかりと表示されており、なによりもそれを食べる犬猫ちゃんにとって安心・安全です。
まずは、大切な犬猫ちゃんが「肥満」なのかどうか判断に迷う場合は、お気軽に当院まで一緒に来てください。
食生活や生活環境、これまでの病気の有無などを問診させて頂き、体重測定を含んだ身体検査を行いながら、飼い主さんと一緒に改善すべき点を探していきます。
来院された方には、特典としてダイエット用の療法食サンプルを無料で処方しますので、お気軽にお申し付けください。
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