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  • Writer's pictureとおやま犬猫病院

無視できない虫


こんにちは。とおやま犬猫病院の院長、遠山伸夫です。

3月となり少し春めいてきました、まだまだ寒い日もありますが(^_^;)

春が近づいて暖かくなってくると、いろいろな昆虫が顔を出してきます。

アゲハ蝶やてんとう虫などのかわいい昆虫には、癒されますね。

しかし、

春に登場してくるのは、そんなかわいい昆虫ばかりではありません。

よくよく見ると、ゾッとしてしまうような虫も登場してきます。

今回は、暖かくなってくると知らぬ間にあなたの犬猫ちゃんに近づいて、

皮膚病や消化器症状などを引き起こす「寄生虫」について

ブログを進めていきます。

早速ですが、

このブログを読んでいるあなたに、恒例の質問です↓↓

・あなたの犬ちゃんは、散歩が大好きですか?

・あなたの猫ちゃんは、室外に出ていきますか?

・その散歩コースや室外に、うっそうとした草むらはありますか?

・その草むらに喜んで飛び込んでいないですか?

・草むらの中で、昆虫やネズミなどを食べたりしていませんか?

・他の犬猫ちゃんのうんちのにおいを嗅いだり、舐めたりしてませんか?

これらの質問に当てはまる犬猫ちゃんは、暖かくなるこれからの季節に「寄生虫」が感染するの危険性が高くなります

なぜならば、

これらは全て、あなたの犬猫ちゃんに寄生虫が感染するきっかけになるからです。

実際、犬猫ちゃんにどんな寄生虫の感染が起こりうるかと言うと、

主に皮膚に寄生する「外部寄生虫」の例として、

・ネコノミやイヌノミなどのヒトノミ科に含まれる「ノミ」

・フタトゲチマダニなどの「マダニ」

・イヌジラミやイヌハジラミ、ネコハジラミなどの「シラミ・ハジラミ類」 など

胃や腸に寄生する「内部寄生虫」の例として、

・犬回虫や猫回虫、犬鞭虫、犬鉤虫などの細長い糸のような「線虫類」

・瓜実(うりざね)条虫やマンソン裂頭条虫、多包条虫(エキノコックス)などの「条虫類」

・ジアルジアや腸トリコモナス、トキソプラズマなどの「原虫類」 

など、その多くが動物病院でよく確認されます。

これらの寄生虫が犬猫ちゃんに感染することにより、

皮膚の湿疹や痒みなどの皮膚症状を起こしたり、

下痢や嘔吐、食欲不振などの消化器症状を引き起こしたりします。

猫ちゃんのトキソプラズマ感染では、流産なども引き起こします。

このように、犬猫ちゃんの体調を崩してしまうことももちろん大変なことです。

しかし、更に恐ろしいのは、

寄生虫の中には人間であるあなたに直接感染したり、他の病原体を運んできてしまう、いわゆる「人獣共通感染症(ズーノーシス)」も含まれていることなのです。

厚生労働省の施設等機関である国立感染症研究所(NIID)のホームページにも、

様々な人獣共通感染症について詳しく載っています。

犬猫ちゃんに関連した人獣共通感染症の例をいくつか挙げると、

マダニを介してウイルスが感染する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」

 参照リンク:http://www.nih.go.jp/niid/ja/sfts/3143-sfts.html

感染した犬の糞便を介して感染する「エキノコックス感染症」

 参照リンク:本州以南第2例目の届出となった犬のエキノコックス(多包条虫)症─愛知県 

 http://www.nih.go.jp/niid/ja/echinococcus-m/echinococcus-iasrd/4817-kj4132.html

感染した猫の糞便を介して感染する「トキソプラズマ症」

 参照リンク:http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/3009-toxoplasma-intro.html

例に挙げた3つの人獣共通感染症は、正確な知識を持ち予防策を行うことで、犬猫ちゃんやあなたへの感染を防ぐことが可能です。

しかし、人獣共通感染症の存在自体を知らないと、知らず知らずのうちに感染を引き起こしているなんてことも...

当院では獣医師である私をはじめ、動物看護師などの獣医療関係者は、

犬猫ちゃんはもちろん、

一緒に生活している飼い主さんに感染しうる人獣共通感染症にも注意しています。

大切な犬猫ちゃんや飼い主であるあなたに、少しでも寄生虫に対する心配や不安がありましたら、お気軽に当院までご相談ください。

P.S.

今回は、それぞれの寄生虫疾患についての詳しい解説は省いていますが、

基本的な治療法や予防法は、動物病院でしか扱っていないお薬による駆虫がメインとなります。

「犬猫ちゃんにお薬を飲ませるのが大変で...」

飼い主さんなら誰しもある、そんなお悩みをお持ちでしたらぜひ当院まで。

最近の駆虫薬は、

飲ませやすいおやつタイプや、皮膚に滴下するだけで全身に効くタイプもあり、

犬猫ちゃんへの投薬の負担が少なくなっています。

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