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  • Writer's pictureとおやま犬猫病院

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)


こんにちは。とおやま犬猫病院の院長、遠山伸夫です。

今回のブログは、マダニと重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という人獣共通感染症についてです。

早速ですが、2017年7月に以下の記事が発表されました。

厚生労働省は24日、草むらなど野外に生息するマダニが媒介する感染症に感染した猫にかまれた女性が死亡していたことを明らかにした。厚労省は同日、都道府県や医師会などに注意を喚起する通達を出した。ダニ媒介の「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」で、哺乳類を介して人が死亡したことが判明したのは世界で初めてという。         

(引用:産経新聞|

人がマダニに直接噛まれて、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を発症した例は知っていましたが、猫ちゃんを介して人へのSFTS発症例は衝撃でした。 人獣共通感染症の予防として、マダニ寄生の危険性がある犬猫ちゃんへのマダニ予防の重要性が更に高まっています。

以前、わたしが代診として働いていた東京とくらべ、

中津川市、恵那市ともに豊かな自然に囲まれているためか、

マダニがくっついている犬猫ちゃんが多い印象です。

7月も下旬となり、日中は30℃を超える真夏日の日もあり、

マダニやノミなどの外部寄生虫の活動も活発になってきます。

あなたの散歩大好きな犬ちゃんは、散歩中に草むらや茂みに顔や体をもぐりこませていませんか?

あなたの猫ちゃんは、自由に家の外に行っていませんか?

4月以降、マダニを顔や体にひっつけて来院するそんな犬猫ちゃんが増えています。

マダニは力強いアゴで噛みつき、あなたの犬猫ちゃんから吸血して大きくなります。

一見、その吸血して大きくなったマダニは、イボのようにみえることもあり、

イボを見つけたとの主訴で来院する飼い主さんもいらっしゃいます。

もし、あなたの犬猫ちゃんにマダニと思われる虫がひっついていたら、

どうしたらいいのでしょうか?

見つけたらすぐに、無理やり引っ張って取る?

答えは、マダニには触れずにそのまま動物病院へ来ることです。

「えっ、気づいたその場ですぐに取り除かなくていいの?」

と思われる方もいるかもしれません。

もし、無理やり引っ張って取ってしまうと、

マダニの体は外れたとしても、

マダニのアゴがあなたの犬猫ちゃんの皮膚に残ってしまうことが多いです。

もちろん、取ろうとしたあなたにマダニが噛み付く危険性もゼロではありません

そのマダニのアゴが残っていると、皮膚に傷がついたままになってしまいます。

そのままの状態だと炎症を起こしたり、痛みが持続することも。

場合によっては細菌の二次感染により化膿したりする可能性があります。

なので、

マダニに噛まれていることに気付いたら、触らずにそのまますぐに当院へ

当院では、まず飼い主さんからお話を聞いて、全身の身体検査のもと

適切な器具やテクニックを使って、慎重にマダニを取り除いていきます。

無事、マダニを取り除くことができても、それで治療終了ではありません

春から秋にかけて外に行く犬猫ちゃんには、

またマダニがついてしまう危険性が考えられます。

そんなマダニをしっかりと予防してくれるお薬が、当院にあります。

一般的なものは、1ヵ月〜1ヵ月半に1回、背中に液剤を垂らすスポット剤があります。

また、最近はおやつタイプの飲み薬で予防できてしまう薬剤も出てきました。

昨年からフィラリアとノミ/マダニ、お腹の中の寄生虫も一緒に予防できてしまう

オールインワンタイプのお薬も当院でも取り扱っています。

フィラリア予防はかかさず行っているけど、

ノミ/マダニ予防はついつい忘れてしまうのであれば、

オールインワンタイプのお薬がおすすめです。

今回は犬猫ちゃんのマダニと関連する人獣共通感染症のについて書いていきました。

マダニがついてしまってから慌てて治療をするよりも、

常日頃からしっかりと予防することにより、

あなたの犬猫ちゃんはもちろん、あなた自身へのマダニの接触を防ぐことになります。

P.S.

もう7月も後半ですが、

まだ今シーズンのフィラリア予防をしていない犬ちゃんもいます。

フィラリア感染症は一旦かかってしまうと、命にかかわる病気です。

しかし、予防薬を適切に使えば100%予防できると報告されています。

あなたの大切な犬ちゃんのために、

今シーズンも忘れずにしっかりとフィラリア予防をしましょう。

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