こんにちは。とおやま犬猫病院の院長、遠山伸夫です。
今回は、新しく犬猫ちゃんを家族に迎え入れた時のポイントについて、
獣医師として解説していきます。
あなたは、ふと立ち寄ったペットショップである犬猫ちゃんが気にかかったとします。
その可愛い仕草や姿を見ていると、飼ってみたい気持ちが湧いてきました。
一緒に生活しているイメージを膨らませていると、幸せな感覚に包まれてきました。
意を決して、あなたはついにその犬猫ちゃんを家族に迎え入れることを決めます。
このようなシチュエーションは、一般的によくあると思います。
新しく飼った犬猫ちゃんをお家に連れて帰って、
フードをあげたり、トイレの世話をしたり、遊んであげたり(遊んでもらったりかも)、
大変なこともあるけど、楽しい共同生活が始まります。
犬猫ちゃんが生後2-3ヵ月くらいでお家に来ることが多いと思いますが、
その犬猫ちゃんは計画的にワクチン接種が行われていますか?
何となくワクチンって1年に1回でいいと思われている飼い主さんも
少なからずいます。
そのため、ペットショップで購入した時に一緒にもらう混合ワクチンを打った証明書を見て、
これで心配ないと思ってしまうことも。
しかし、
世界小動物獣医師会(WSAVA)のワクチネーションガイドライングループが、
子犬/子猫ちゃんともに、生後6〜8週齢に初回の混合ワクチンを接種し、
その後2〜4週間隔でワクチン接種を行い、
最終接種は16週齢またはそれ以降とすることを推奨しています。
一般的で最もわかりやすい例で説明すると、
①生後2ヵ月で1回目の混合ワクチン☑
②生後3ヵ月で2回目の混合ワクチン☑
③生後4ヵ月で初年度最後の3回目の混合ワクチン☑
となります。
つまり生後2ヵ月で1回目の混合ワクチンを打った後、
1ヵ月毎に3回目まで打ちましょうというものです。
混合ワクチンを複数回打つ理由を簡単に説明すると、
お母さんからもらった移行抗体という期間限定の免疫防御システムが少なくなった頃に、
ワクチン接種することでウイルスなどへの抵抗性を獲得します。
そして一定期間をおいて、同じワクチンをもう一度打つと、
ウイルスなどへの抵抗性をさらに強める効果(ブースター効果)があるため、
1回だけでなく、複数回接種する必要があるというわけなんです。
ペットショップで購入した場合、
専属の獣医さんがワクチン接種も行ってくれるところもあるかと思います。
ワクチン接種自体は、地域の動物病院でなくても内容は変わらないでしょう。
しかし、決して忘れてはいけないことは、
混合ワクチン接種によって稀に死に至ってしまうワクチンアレルギーが発生するリスクです。
そのため、飼い主さん自身が事前に必ず確認すべきことがあります。
その確認すべきこととは、
大切な犬猫ちゃんが、そのようなワクチンアレルギーになってしまった場合、
それに対応できる診療器具や施設、薬剤が用意されているか
また診てくれる獣医さんのスキルや経験が十分か、
ということです。
当院では、ワクチンアレルギー時に対応できる診療器具や施設、薬剤は常備しています。
当然といえば当然で、
様々な犬猫ちゃんのあらゆる病気を常日頃、診断・治療してますからね。
一方で、スキルや経験はというと、
ワクチンアレルギーになってしまった犬猫ちゃんを
私が獣医師になってから治療した経験も複数回あり、治療方法も熟知しています。
重要なことなので繰り返しますが、
混合ワクチンを打つことは、どの獣医さんでもできます。
しかし、混合ワクチンをどこで打つべきかをよく考えて下さい。
あなたの大切な犬猫ちゃんがワクチンアレルギーを発症した時に、
適切な診断や治療を行える施設や獣医師かどうか?
価格が安いからというだけで、あまり考えず混合ワクチンを打ってしまうと
取り返しのつかない事態になる危険性もあることを忘れないで下さい。
P.S.
当院ではどなたでも診察予約は特に必要なく、
希望の方には混合ワクチン接種時に、無料で糞便検査(寄生虫のチェックなど)を行っています。
また、大切な犬猫ちゃんのかかりつけ医として、
犬猫ちゃんの初めて飼う方を始め、受診された飼い主さんのご質問にじっくりとお答えしますので、
お気軽にご相談下さい。