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  • Writer's pictureとおやま犬猫病院

避妊手術のススメ <メス♀>


こんにちは、とおやま動物病院の院長の遠山伸夫です。

今回のブログでは、メス♀の犬猫ちゃんの避妊手術について

書いていきたいと思います。

ワンちゃんネコちゃんと一緒に暮らしている飼い主様はもちろん、

動物を飼ったことのない一般の方でも

不妊手術、一般的にメス♀の子であれば「避妊」、

オス♂の子であれば「去勢」という言葉を聞いたことがあるかと思います。

不妊手術は、ワンちゃんネコちゃんなどの小動物に行われる外科手術の中で

最も多くかつ最も一般的な手術でもあります。

では、繁殖を行う予定のないワンちゃんネコちゃんに

この避妊手術を獣医師が強く推奨しているのですが、なぜでしょうか?

それには重要かつ多くの理由が、獣医学的に報告されているからです。

避妊手術はこの言葉から想像されるように、

卵巣・子宮を取り除き妊娠しないように行う手術ですが、

それだけが推奨される理由ではないのです。

実は命に関わってくる乳腺腫瘍を代表とする様々な病気を予防する効果があります。

乳腺腫瘍は、もしもメス♀のワンちゃんが罹患すると50%が悪性であり、

悪性のうち50%(つまり乳腺腫瘍の25%)は転移が生じると報告されている要注意な病気です。

このデータは避妊手術を行っていないメス♀のワンちゃんのものであり、

実は早期に(この早期がとっても大事なんですが)不妊手術を行うと、

乳腺腫瘍の発生率が驚くほど下がります

具体的な数字として、

メス♀のわんちゃん早期避妊手術よる乳腺腫瘍の予防効果は、

初回発情前で99.5%、1回発情後には92.0%、2回発情後には74.0%と報告されており、

命に関わる病気を事前に予防することが可能となります。

しかし、残念ながら2.5歳以降は効果がほとんどありません。

また、メス♀のネコちゃんにおいては乳腺腫瘍の約90%が悪性と報告されており、

一旦罹患してしまうと治療が困難となる可能性が高い病気です。

メス♀のねこちゃん早期に避妊手術を行うと、

その予防効果は生後6ヶ月までで91.0%、生後7〜12ヶ月で86.0%と報告されています。

しかしながら、

避妊手術を早期に行わないと、その予防効果は生後13〜24ヶ月で11.0%であり、

24ヶ月以降はほとんど効果がありません。

その他にも以下のメリットがあります。

・行動面の改善(発情の煩わしさからの解放、発情期周辺の体調・気分の不安定の解消、雌猫では鳴き声やすりつき動作の解消)

・子宮卵巣疾患(子宮蓄膿症)などの予防

・偽妊娠の消失

・膣脱の予防  など

少し細かく長めの内容になってしまいましたが、

現在メス♀のワンちゃんネコちゃんを飼育されている飼い主様だけでなく、

これから飼ってみようかなと考えられている未来の飼い主様にとって、

大事な家族であるワンちゃんネコちゃんとの

楽しい生活を末永く送っていく一助となれば、幸いです。

また近いうちに、

オス♂のワンちゃんネコちゃんの去勢手術について書いてみたいと思います。

もちろん、とおやま犬猫病院に来院して頂ければ、

いつでもご相談を受けさせて頂きますので、お気軽にどうぞ(^_^)

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